19世紀、カフェオレボウルは「スープボウル」と呼ばれ、スープを飲むために使われていました。フランスの人々は、パンをスープに浸してからスプーンですくって食べていたので、そのころのボウルは大きく、底に傷がついているものが多いです。1800年代、ヨーロッパではコーヒーが飲まれはじめ、1870年頃には中流家庭の中でもコーヒーが一般的になりました。そして1920年頃になると、庶民の生活の中にも、コーヒーを朝食に飲むのが一般的になりました。カフェオレボウルが盛んに作られるようになったのは、このように庶民の生活の中にコーヒーを飲むことが普及してからになります。
当時のフランスでは、コーヒーにもパンを浸してスプーンですくって食べていました。1920年代〜1940年代ぐらいのカフェオレボウルに、底に傷が付いているものが多いのはそのためです。20世紀中ごろまでは、絵付けもハンドペイント、または絵柄のはんこやステンシル加工も手作業で行っていました。そのためカフェオレボウル一つ一つの模様が微妙に違っており、そこがアンティークカフェオレボウルの魅力の一つと言えます。モロッコ王国がフランスの植民地だった1912年〜1956年の間には、モロッコ柄と呼ばれる、オリエンタル風の幾何学模様のカフェオレボウルが作られました。
モロッコ柄のカフェオレボウルは、直径約15cmとやや大ぶりで、色はブルー、グリーン、エンジなどが使われています。カフェオレボウルの裏を見てみると、いろいろな窯印が押されているのがわかります。これは、カフェオレボウルの製造メーカーを印すもので、カフェオレボウルの作られた時代によって窯印が変わっていきます。これをもとに、カフェオレボウルの年代を知ることができるのです。カフェオレボウルの製造メーカーをいくつかご紹介します。
◆Digoin/Sarreguemines(ディゴワン/サルグミンヌ)
アンティークカフェオレボウルの中で、最もよく見かけるのがこのdigoin/sarregueminesの窯印だと思います。1879年、すでにSarregueminesという町で創業をしていたサルグミンヌは、Digoinという地域に窯を持つことになりました。これがディゴワン/サルグミンヌ窯のはじまりです。2つの窯が一緒になってからも、ディゴワン/サルグミンヌマークの他にディゴワンマーク、サルグミンヌマークも使われていました。20世紀初頭にディゴワン/サルグミンヌ窯は、カフェオレボウル製造の全盛期を迎えます。しかし1960年代〜70年代には、ディゴワンの窯印はほぼ消滅し、サルグミンヌの現代的な窯印に取って替わるようになりました。
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